04
「昨日はごめん」
「えっ、あ、うん。こちらこそ……」
これでも必死に謝ってるんだからそんな引かないでほしい。慣れてないんだよこういうの。
「むしろ、君から話しかけてもらえるなんて、安心したよ」
嫌われちゃったかと思ったらしい。眉を下げて息をついた。
それを言うなら私の方だからね。よかったー普通に話せたよ。改めて善法寺は気のいい人だと思う。
自分の席に戻ろうとした時クラスの女の子たちに呼ばれ緊張しながらも向かうと、どうやら委員会の事らしかった。
「うちの学校は全員が何かしらの委員会に入るんだけど、ちゃん希望ある?」
「希望……というのはないけど、前の学校では風紀委員だったなぁ」
正門前やら廊下に立って風紀違反する生徒をバッサバッサ切り捨てるのは実に気持ちがよかったもんだ。しかしどうやらここには風紀委員というものはないらしい。残念だ。だとしたらどうしよう。もう二年生の後半だ。あまり活動的な委員会は足を引っ張るから避けたいな。そう言うと女の子の一人が図書委員を進めてきた。
「図書委員?」
「あぁいいね。週に一度、昼休み図書室に言って当番するの」
「実際行かない人もいるし、使う人もいない位だから仕事なんてほぼないよ」
楽チンだよと手をヒラヒラさせる彼女たちに後押しされ、私は希望表に図書委員と記入し職員室の担任に持っていった。
***
「……」
一人で大丈夫!と言った数分前の自分はどうかしてた。全然大丈夫じゃない、普通に迷子。
職員室の場所がわからない。せめて何階なのかくらい聞いておくんだった。
「どうかしたのか、」
「え?」
後ろから声をかけてきたのは、綺麗な黒髪に白い肌の、制服的には男子。スカート穿いてたら女子っていったかもしれないくらい、綺麗な顔をしてる。
「何だか困っていたようだが」
「え、あぁ、うん。職員室への行き方が分からなくて」
「それなら私も向かうところだ。一緒にいこう」
あれよあれよと話は進んでしまったが、とにかく職員室に行けるのなら万々歳だ。初対面だというのも忘れ女装姿が映えそうだねと口走ってしまう程に綺麗な男子だった。そして本人も容姿を褒められるのには慣れているのだろうか、否定することなく鼻で笑われた。なんだか腹立つ。
「ここだ」
「ほぉ、二階にあるのか。階だけ覚えてればあとはどうにか着けるな」
「まったく、少しは頭を使え」
最後まで偉そうな態度を貫かれたが助けられたのは事実。お礼を言って別れて担任への用を果たして職員室を出たときにはもう彼の姿はなかった。どこのクラスの人だろう、名前聞きそびれたな。
……あれ、どうして彼は私の名前を知ってたんだ?
「!」
「善法寺、どうしたの慌てて」
「どうしたのじゃないよっ次の科学は実験だから理科室に移動なのにいつまでも戻って来ないんだもん」
「迷子になってた」
道具は持ってきたから直接行こうと言う善法寺の手には私の筆箱と教科書やノートがしっかりと握られている。まじかこいつ、人の棚漁ったのか。そんな目線に気付いたのか慌てて弁解をする善法寺が面白い。別に気にしてないよと言うと安心したように息をはいた。
「でもどうせなら迎えに来てくれるのはクラスの女子たちがよかったなぁ」
「ご、ごめん」
「気にしてないよ」
謝ってばっかだね、善法寺。
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