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私は春が嫌いだ。桜が嫌いだ。
物心ついた時から嫌いなのは覚えているのに、そうなった原因は分からない。いや、“思い出せない”と言うのだろうか。
桜を嫌いになる物事があった気がするのに、両親に聞いても「物事もなにも桜に近付くだけで泣きわめいてた」とお前のせいで花見が出来なかったというクレーム大会になるのでこの手の話題はご法度だ。
そんな桜もあっという間に役目を終えて、今は暑い日差しを避けるための青々とした葉をつけているというのに、このタイミングで思い出すとはどうしたのか。

「そうだ、、もう引っ越しの準備は済んだの?」
「済んでない。一生済みそうにないから引っ越せないわー」
「バカ言わないの」

バカはどっちだと思うけどね!!高校も半分を終えて、さぁそろそろ受験に向けて動きますかっつーこの時期に、引っ越しなんて。「少しでも負担のないように」と夏休み明けの新学期まで引っ越しを延ばしてくれた父、できればあと一年半頑張ってほしかった。

「それに引っ越し先の“大川高校”って聞いたこともないしググっても出てこないんだけど……」

ようやく使いこなせるようになってきたスマートフォンを必死にいじるもそんな学校ホームページすら存在しない始末。

「大丈夫なのかな……」

不安を声にだしても返事はない。
七月を示していたカレンダーは風に煽られめくられた。



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