『この半日でお前のクラスがどうなっても知らねぇぞ』
『問題ない。たったの半日だ』
「…………それもそうだけどさ。そのたった半日すら上手くやれる気がしねぇよ。俺は」
ズカズカと肩で風を切りながら歩いてくる生徒を見てぼやいた。ずり落ちるワイシャツを上にたくしあげながら肩を回す。
自分の中に燻る感情を自覚しているだけ自分は冷静だと正当化するが、そもそも個人的感情で他の生徒と差別してしまうのがよくないのだと、そこには全く気付かない程度にはは冷静ではなかった。
「さっきは言い忘れてた。『参った』て言えばすぐ解放してやるからな」
「誰がいうかよンなもん」
「あっそ」
啖呵を切る二人の生み出す空気になにやら違和感を覚えたが、切島がその正体を探るより先に爆豪が動いた。
「死ねェッ!」
「軽率に吐いていい言葉じゃねぇよなァ。本当にヒーロー志望か?」
両手についたペイントを警戒してか、案の定はワイヤーを背後に伸ばし距離をとる。
ワイヤーがコンクリートに刺さったのを見て今度は切島が攻撃を仕掛けた。
「……何も学んでねぇ。あん時もこうやって無策のままワープゲートに突っ込んだんだって?」
「!?」
教師間での情報共有は余すことなく行われている。1-Aの面々だって自身の身に起きたことは皆教師陣に話したのだからがこの事を知っているのはごく当たり前の事だ。
「~~~ッ!」
「そんでお前らが無意味に突っ込んだから初手が遅れた。教師陣二人の足引っ張ったの、反省してねぇの?」
「オラァッ!」
「テメェもだよ派手馬鹿」
左手で切島の頭を地面に叩きつける。硬化しているため物理的ダメージはないだろうが動きを捕縛された。切島に気が向いてる隙にと爆破させた右手でに殴りかかった爆豪も、切島を叩きつけた際に割れたコンクリートを顔の前に投げられ流れを崩された。
「ガ、ッ……!」
「まだやれるよな、ヒーロー?」
「ったりまえだろクソが!」
にたりと笑った表情は爆豪を煽り、切島を怯ませた。カメラ越しでは詳しい様子は見えないが、控え室にいる面々も少しずつこの異常さに気付く。
「ケロ、もう4分になるわ」
「あれ、止めた方がいいんじゃねぇの!?」
「一応教師だろ?その辺弁えてるんじゃ……」
ざわつく控え室をよそに、今だ一方的な暴力を振るわれる二人と手を止めない。流石の爆豪にも疲れが見えている。止めに入ろうと緑谷が控え室をでた時だった。
「冷静になれ、」
突如として真っ赤な鉱石が地面から伸びの服を刺して壁にめり込む。
「…………ブラドキング」
その“鉱石”の正体は険しい顔をしてやってきたブラドキングの“個性”だった。
***
「ほんッと、何してるんですかアンタ」
「…………」
「仮にも教師でしょ?怒られて恥ずかしくないんですか」
拳藤が止めに入るまでぐちぐちと物間に罵倒され続けるは顔を下げたまま何も言わない。ブラドキングに拳骨をお見舞いされ1-Aから離されて以降ずっとこの調子だ。
「俺の代わりにB組を見てろよ」
と交代を命じられたのに何もしようとはしない。
「ちょっと先生。僕らの貴重な時間無駄にしないでもらえます?ただでさえA組との差を───」
「そうだよ」
「は?」
「A組だけいい思いしてお前らも悔しいよな」
「いい思いって……」
突然ヴィランに襲われた人達に災難だったねと言えどいい思いをしたねとは言わないだろう。例え、心の内ではそう思っていても、だ。
「どれだけ質のいい訓練だろうと、自分たちの死が敵前に晒される実戦の方が得られるものは大きい。それを体験できなかったB組は大きく後れを取ってんだ」
「そんなこと、言わないほうが……」
不謹慎だ。そう言おうとして止めたのは突然が顔あげ、B組面々に笑みを浮かべたため言葉に詰まった。
「向上心持って、この差を埋めてやろうぜェ。俺は今からお前らB組に対してだけ個性を使う」
「…………!」
「1ミクロも出し惜しみするなよ。お前らの大好きな“プルスウルトラ”だ」
「ずるいだろうそのチート個性!」
八つ当たりってやつ
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