023.03.16~

【英雄/学生時代『愛と呼ばない』】

「ここは俺が片付ける!」
「おい、前に出すぎるなッちゃんッ」
「はぁッ!?!?!?」

演習時の事故。突然の、微塵も予想だにしない出来事に男は演習であるにも関わらず集中力を切らし、更には敵から目を背け動きを止めてしまった。そのせいでヴィラン──正確にはヴィラン役の教師であるが──からの攻撃を躱しそこね怪我を負ったのならば、彼のミスが原因であり減点されるのは当人のみだ。しかし今回の件に関しては『続行不可』という形で保留として扱われた。加点のチャンスを奪ってしまったと相澤はいつもより険しい顔をする。

「すまないちゃ、ん……あぁくそ、先に話しておけば良かった」
「馬鹿野郎先に話されたって動揺するわッ」

幸い落下時に負った骨折はリカバリーガールのおかげで回復した。話を聞いたところによるとどこかで受けた個性のせいで名前に「ちゃん」をつけてしまうという。

「そんななんの実害もない個性あるかよ。呪いじゃん」
「実害はあるだろう。意思の疎通が困難になる」
「俺は別に気にしないぜ。『ちゃん』なんて…ふっ、マブダチみてぇで……ふはっ!ウケる!」
「……。非合理的だ。症状が収まるまで俺は黙る」
「そんなこと言わないで名前を呼んでよ。消太ちゃん」
「~~ッやめろ!」


「あいつらまたイチャついてる。俺たちも混ざってこようか」
「やめろやめろ。馬に蹴られるぜ」

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「相手の名を呼ぶとき、必ず『ちゃん』をつけてしまう」ご都合のろいにかかりました。
のろいは時間経過で解けます。
必要な時間は240時間(5日)です。



【海賊/ロブ・ルッチ】

自室で次の任務に向けての支度をしている時だった。なんの予兆もなく突然自室の扉が開いて、険しい顔をしたロブ・ルッチが驚いて言葉も出ない男の肩を掴みにかかった。

「何故おれに刃物を向ける」
「いや、いくら同じCP0とはいえ突然距離を詰められたら反射的に……というかお前いつも俺のこと避けるじゃん。偽物かと思って」
「チッ……」

相手の首から武器をおろし、この状況について説明を求めたがロブ・ルッチは応じなかった。ただ一方的に自分が数時間後に任務であると告げ、それに返事をするやり取りが何度か続いた。

「だからいってらっしゃいって。そもそも任務報告なら俺じゃなくてあのバカにしろよ。上司だろ?」
「うるさい。貴様がどう思うかを聞いている」
「どうもこうもない。任務があれば行くだけだ。強いて言うなら、無事に帰ってきたら、いいなって、くらい」
「ほう、おれに戻れと?」
「は?あぁ……まぁ」

何がお気に召したのか、ルッチは片方の口角をあげて満足気に立ち去ったのでようやく息を吐く。ここまでずっと馬乗りだったのだ。好きな相手でなければ刺している(出来るかどうかは置いておいて)

「何だったんだあいつ……」

その問いを待っていたかのように電伝虫が鳴る。カクは真剣を装いながら明らかにこの状況を楽しんでいた。

「えぇ…まじで?」

そして電話の内容を聞いた男は、ルッチが任務から戻るのをいまかと待ちわびた。



「おかえり、ロブ・ルッチ」
「……チィッ」
「そんな逃げるなよォ、俺は嬉しいんだ。お前に嫌われてると思ってたからさ!」
「うるさい。なんらかの誤作動だ。その手を退けろ」
「さっきは驚いたが、お互い好きだと分かった以上これからも任務前に声かけてほしい。『いってらっしゃい』って言いたいし」
「自惚れるな……貴様、こういう時だけ力が強いな……ッ!」

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「好きな相手から束縛されたくなる」ご都合のろいにかかりました。
のろいは時間経過で解けます。
必要な時間は6時間です。
#お題ガチャ #ご都合のろい



【WT/唐沢】

〈緊急事態発生〉

朝起きて一番に見るメッセージに頭が一気にクリアになる。

「緊急事態?ならなんで電話じゃないんだ」

あの人らしくないな、ドッキリか?今日は何かの記念日だっけ?そんな風に警戒しながら普段より幾分早めにスーツに袖を通し出社する。唐沢と、その秘書である自分のために用意されている部屋へ入る。椅子に座る姿は普段と変わらない。立場上、冗談で緊急事態なんて言葉を使うとは思えないが、はて。

「おはようございます。緊急事態ってなんですか?……。……あの?」
「……」

唐沢は困ったように笑うだけで何も言わない。いつもなら一人で口を動かしているだけにその光景は違和感が大きかった。

「風邪引いたんですか?」

首を横にふる。ただやはり声に関する事らしく、喉を抑えて困った顔をしてみせた。その庇護欲が掻き立てられる表情、外では見せればいい交渉材料になりそうだが。勿論今はそんな事を言っていい状況ではないので、秘書になるときに与えられたレザーのクリップボードを開き今日のスケジュールを確認する。なるほど、休みを取るのは難しそうだ。

「今日は林藤支部長たちと新支部の拠点候補実地視察がありますね。身内だけでなく行政との兼ね合いもあるため休めませんし、俺代わりに行きましょうか?」

唐沢は僅かに眉をひそめ口を動かす。当然声にはならないが。

「まぁ確かに。交渉における落とし所は唐沢さんが一番良く理解してるでしょうけど……まぁ一緒に行きますか」

普段の癖で後ろを歩こうとして腕を引かれた。今日ばかりは顔を見ていて貰わないと。そうはにかむ唐沢になんとも泣きたい気持ちになった。

「できれば今日だけと言わず、ずっと横を歩きたいですけどね」

相手が言い返さないのを良いことにわがままを言ってしまい、もう横どころか前を歩くしかなくなった。後ろから駆けてくる足音、怖いし振り切っていいかな。

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「声が出なくなる」ご都合のろいにかかりました。
のろいは時間経過で解けます。
必要な時間は72時間(3日)です。
#お題ガチャ #ご都合のろい
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