2022/09/07~
【モモンガへのお題は『私の為だけに生きて』です。
https://t.co/JB7UKICSma】
「なんだかまた傷増えてません?」
「………気の所為だ」
「嘘がつけないなら言わない方がいいですよ」
「面目ない」
「貴方、部下に戦場で死ねと伝えているので?」
「何!?そんな事は一度も──!」
「中将がそれでは部下も我が身を犠牲にしないといけなくなると言っているのです」
医務室には二人以外誰もいない。偶然なのか、意図してそうなったかは今首すら横に動かせないモモンガに分かるはずもなく、ピンと張り詰めた空気にただ耐えていた。
「その怪我に、貴方が命を削る程の理由があったとは思えない」
「……」
「あの馬鹿共が死にかけたのは自業自得だ。もし彼らが生き延び貴方だけ死ぬ事になっていたら私が彼らを殺めていた」
「人命を守ることは我々の義務だ。それで死ぬのは仕方のないことだろう」
「では私のために生きてください」
「そ、れは……光栄です…いや、だが……その言葉はあまりにも勿体ないかと…」
「本当なら『私のためだけに生きて』と言いたいのです。我慢なさい」
「………はぁ、今後の任務に支障をきたしてしまう」
「なら昔みたく私が鍛えて差し上げます」
「光栄ですよ。教官」
【英雄へのお題は『愛してる愛してる、愛していたかった』です。https://t.co/JB7UKICSma】
あと2日もすれば満月になるのだろう月がそれでも煌々と夜を照らし、障子の向こうにいる人物の影を色濃く映した。
「入るぞ」
「……」
「入る」
「俺が許可したか?」
「テメェの許可なんかいるか」
「夜中に無礼な奴だ──」
「………」
嗚呼、そっちだったか。
どちらの可能性もあったのだ。この男が惚れたのが組長であるのか、治崎であるのか。警戒して根回しもしてあったが、それでも選んだのは組長だったらしい。
「お前は、俺なんかよりよっぽど組長に大切にされてた」
「あぁ。だから俺は組のためにやっている」
「違う。だってお前は組長を殺した」
「俺の個性知っているだろう」
「うん。でもきっとその過信が組長を殺す」
「お前も俺に惚れ込んでいると思っていた」
そう言って自身の指を首から胸、下腹部へと下ろしていく。何を暗示するかなど考えるまでもない。
「あぁ、愛してる。愛してる───愛していたかった」
「……」
「今回の件がなければずっと、俺はお前を愛してたよ」
「そうか」
ならもう用はない。
何故最初からこうしなかったんだろう。
バチンと消した男の普段と変わらない笑みが瞼に焼き付いてしまう。
【出水公平へのお題は『言わなくても分かるから』です。https://t.co/JB7UKICSma】
ムカつくムカつくムカつく!
ここに来る前に遭遇してしまったクソ市民に言われた言葉が何度も頭を反芻する。
「どうしたこうへー?今日機嫌悪いじゃん」
「ハァ?」
「超感情的〜」
「別にそんな事はないけど」
「そうかなぁ〜俺には分かるんだよねぇ」
「うっざ」
電柱の上に座ってこっちを見下ろしてくるとか、なんだよ少年漫画意識してんじゃねぇよ。アステロイドを飛ばしても当然かわされ、それならとあらかじめ忍ばせておいたバイパーを着地のタイミングで爆破させる。……あぁまた、『好き勝手街を破壊しやがって』と文句言われんのかな。思い出しムカつき。
「ガチ苛立ちじゃん。てことは学校かぁ、市内でのこと?」
「今のは吹っ飛ぶとこだろうが」
「いつもならねぇ。でも今日はあけすけ」
緑川みてぇにグラスホッパーを器用につかって距離をつめてくる。近距離になればどんどん向こうが有利になるのに。
「俺もムカつくよ〜せっかくの一対一なのにお前が他のこと考えてるなんて。ちゃんと集中して〜?」
「チッ!わかったような口きくな!」
「分かるって!何度公平のキューブ受けてきたと思ってんの?」
楽しそうに笑ってるくせに弧月の切っ先はこっちに向いてんの。今日はムカつくことばっか!
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