2018頃の

【rkrn 文次郎】

「すごく、馬鹿な事に、私お前の事好きになってしまったみたいだ」
「…なるほど、そいつは不毛の極みだな。早く気持ち切り替えろ」
「おう」
バチンバチン、文次郎の十キロ算盤の音を聞きながら会計委員会室の小汚ない天井を見つめる。
私はそれ以上何も言わず、目の前に出された保健委員の予算申請書と帳簿を照らし合わせ無駄がないかを確認する。その間文次郎は一度も顔をあげることはなく、算盤を弾く時に揺れる前髪の隙間から涼しげな表情を覗かせるだけだ。
忍者の三禁とは実に的を得ている。今の私では文次郎を殺せない。
卒業までにはこの気持ちを消さなきゃなぁ、つい声に出た思いに、団蔵は悲しそうな顔を浮かべた。



【WT 二宮】

恋だった、のだろうか。
いや、恋した瞬間ふられたようなもんか。
あぁでもそれは少し違うな、恋した瞬間諦める選択肢を選ぶしかない、というのが一番しっくり来るのだろうか。分かりづらい。自分でも何が言いたいのか分からなくなった。
「モタモタするな、早く来い」
「はい」
私が換装したスナイパーを見た二宮さんが少しだけ、本当に少しだけ目を細めるのは無意識なのだろうか。
「どうかしました?」
「いや」
ねぇ顔も知らない鳩原さん。早く帰ってきてくださいよ。
今の二宮さんが見てる女の人は、貴女だけなんですから。



【rkrn タカ丸】

「どうでしょう、これ」
「許しません」
「そんなぁ~」
鏡を睨みながら一生懸命編んだ髪も、カリスマ美容師のご子息にはお気に召さないらしい。
「可愛い」を作るのは大変なのだ。
「もう私の技術不足なのは十分わかったから、タカ丸、髪結いしてよ」
「やりたくない」
「どうして」
「誰と出かけるのか知らないけど、あんまり可愛くなられても僕が困るんだ。あまりにひどい姿でも困るけど」
「わがままかよ…」
そんなふてくされた顔をしたって今日は買い物に連れて行ってあげない。
本人を連れて誕生日の贈り物を買うのは無粋にもほどがある。
「私が買い物できないと、後々困るのはタカ丸だよ」
「だから、ちゃんと理由を話してってばぁ!」
Back